【話下手な方は注目】わかりやすい説明には「型」があります。
【本記事のテーマ】
わかりやすい説明には「型」があります。
- スピーチが苦手で、自分でも何を話しているかわからない。
- 話している最中、皆、興味がなさそうな顔をしている。
こういった疑問に答えます。
参考にした本はこちら。
【本記事の内容】
1-1.なぜ聞いてもらえないのか
原因1 相手が聴く態勢をとれていない
原因2 そもそも自分自身が内容をよく理解していない
原因3 相手のもっている知識を自分が把握していない
原因1については、相手が悪いわけではありません。人は基本的に、面白そうだなと思った話しか聞かないのです。
朝礼であなたが一生懸命話していても、おそらく今日のランチのことを考えています。
相手の注意をこちらに向けさせるのは、あなたの仕事です。
原因2は心あたりがあるのではないでしょうか。自分がぼんやりとしか知らないから、説明もぼんやりとなって、相手に伝わらない。
逆に言うと、詳しい分野はどの角度からでも説明できるので、ズバッと相手にも伝わる。伝えるにあたって、自分の理解度は重要です。
原因3について。そもそも゛わかる゛とはどういうことでしょうか。本書ではこう定義しています。
゛わかる゛とは、「自分がすでにもっている知識(情報)と、新しい知識(情報)とがつながること」です。
つまり、相手にわかってもらうには、相手がどの程度の知識をもっているかを理解していなければいけません。そうでないと、知識と知識をつなぐことなんてできないですから。
相手が小学生の場合と30歳サラリーマンの場合とで、同じ話し方はしませんよね。
そういうことです。
そしてこの原因を解消すれば、伝わる話し方になるわけです。
ではどうすれば解消できるのか。
2-1.型を取得する
そこで作者はIKPOLET法という話し方の「型」を作成しました。
以下のSTEP1~7の頭文字をとってIKPOLET法と言うそうです。
STEP1興味をひく(Interest)
STEP2聴き手のもっている知識や認識にアクセスする(Knowledge)
STEP3目的を示す(Purpose)
STEP4大枠を見せる(Outline)
STEP5つなげる(Link)
STEP6具体化、事例、証拠を示す(Embodiment,Example,Evidence)
STEP7転移(Transfer)
順番に見ていきましょう
STEP1興味をひく
例えば、学生時代を思い出してください。ぼけっーと授業を聞いていて、先生が「ここ、テストに出るぞ!」と言った瞬間、目が覚め、先生の話に耳を傾けた経験はありませんか。
まさにそれが興味をひくということです。
筆者は【欲を刺激する】か【リスクを見せる】ことが特に効果的だと言っています。前述の「テストに出るぞー」は良い点を取りたいという【欲を刺激】していますね。
一方、「ここをわかっておかないと赤点だぞ!」といった脅しのようなセリフは後者の【リスクを見せる】に該当します。
STEP2聴き手のもっている知識や認識にアクセスする
話を理解してもらおうと思ったら、相手が知っている語彙を使わなければなりません。違うフィールドの人に専門用語を使っても、ちんぷんかんぷんですよね。
そこで役立つのが比喩です。
昔、テレビで見たのですが林修先生が『ONE PIECE』の主人公・ルフィ型と『北斗の拳』のケンシロウ型という例えを使っていました。
ルフィ型というのは、仲間というものを大事にして、どんな人とも損得ではなく一緒にやっていこうとするタイプ。
ケンシロウ型というのは仲間は必要とせず、たったひとりで戦っていく。ひとりで考え内面を高め、堂々たるひとりになってやっていくタイプ
わかりやすいですよね。多くの人がこの説明ですぐに理解したのではないでしょうか。
教え方の上手な教師は、こういった例え話が上手ですよね。見習いたいです。
STEP3目的を示す
これは話が長くなる場合、特に意識する必要があります。
パワポで資料を作っていても、1ページ目はまだいいんですが、どんどん作成していくくと、目的を忘れてしまって、よくわからないところに話が着地してしまう。
聴いているほうも当然、よくわからない。
今、どこを目指しているのか。聞いている人にどのレベルまで理解してほしいのか。
ざっと流れを掴んでもらうだけでいいのか。ここだけでも覚えてほしいのか。
ゴールを示すと理解してもらいやすいです。
STEP4大枠を見せる
こちらも話が長くなると意識する必要があります。
今、全体のどの部分なのか。これを理解してもらうと流れが掴みやすくなります。
読書するときでもそう。分厚い本を読んでいると、途中でつながりがわからなくなります。たまに目次に戻って、全体の構成の中のこの部分を読んでいるんだなと確認することで、理解は深まります。
STEP5つなげる
原因と結果がつながっていないと、当たり前ですが人は理解できません。
歴史の暗記でもエピソードがないと、覚えられないですよね。
「 本能寺の変。山崎の合戦。豊臣秀吉。」と言われても、明日には忘れています。
それを「本能寺の変で織田信長が倒れた後、山崎の合戦で明智光秀に勝利したのは豊臣秀吉」と言われれば、まだストーリーがつながり、理解しやすいです。
STEP6具体化、事例、証拠を示す
「暖かい空気のほうが密度が小さいので、冷たい空気の上に浮きます」
と言われても、ピンときませんよね。
でも、「熱気球はこの原理で浮いています」と具体例を一つだけ加えるだけで
どうでしょう?あーそういうことね。と理解できたのではないでしょうか。
難しい話をいかに、身近な例を使って説明するか。これが出来れば、理解も早いし、
頭の良い人だなと思ってもらえます。
STEP7転移
この〇〇は、△△でも使えますということを伝えることができれば
聞いている方は、一つ上のレベルで話を理解することができます。
これが出来れば、「あなたの話を聞けてよかった」と思ってくれるでしょう。
ただし、これには話し手に幅広い教養が求められます。
他のフィールドで使えることも知っておく必要がありますからね。
【結論】
話が上手な人は、もともとトークの才能があるだけだ。と思っている人は多いですが、それは間違いです。
- 具体例を入れる。
- 大枠を示す。
など、ある程度は「型」を取得し、テクニックでカバーできます。
というか、上手な人は意識せずにそれらを使いこなしているだけです。
私もどちらかと言うと、話下手な方なので、ひたすら「型」の練習あるのみです。